ワールド・ウッド・デー(World Wood Day)とは
日本では「国際森林デー」と同じく3月21日に開催されるイベントで、国際木文化学会(International Wood Culture Society)が 2013年から人々に木の文化を発見し体験するプラットフォームを提供するために、3月21日を中心とした会期で国際フェスティバルを開催しています。今までに、タンザニーア (2013)、中国 (2014)、トルコ (2015)、ネパール (2016)、アメリカ (2017)、カンボジア (2018)、オーストリア (2019) 等、世界を巡って毎年開催しています。その初回となった2013 年開催大会の成功を契機として、同年にワールド・ウッド・デー基金会(World Wood Day Foundation)も創設されています。
今後のワールド・ウッド・デー
2020年に第8回の東京大会は、コロナウィルスの影響で残念ながら中止となりましたが、これから日本で開催するイベントに関しては、国際木文化学会 (IWCS)、ワールド・ウッド・デー基金会(WWDF)及び 日本木文化学会(Japan Wood Culture Society)を中心として、海外各国からも日本国内からも多くの専門家や職人や芸術家が集まり、木材と持続可能な未来を促進する文化的なプレゼンテーションを多数展開する予定で、ご家族連れでもお楽しみいただける木の文化の祭典を企画し続けます。
ワールド・ウッド・デー2025
2025年のイベントテーマは 「Eco-Living with Wood (木のあるエコ暮らし)」です。
ワールド・ウッド・デー 2025では、エコ暮らしと持続可能な発展を実現するなかでの木の多面的な役割を探ります。責任ある木材消費を広めるなかで、ワールド・ウッド・デー 2025は、独自の木材認証と環境に優しい林業を周知し、エコラベルの重要性を提唱しています。このイベントでは、人間と木の文化的、歴史的つながりを掘り下げるとともに、炭素隔離を通じて気候変動を緩和するというこの素材の可能性も強調します。建築や設計における木材の使用を増やすことと、また森林をベースにしたレクリエーションを総合的なエコ暮らしに取り入れることを促進しています。最終的に、ワールド・ウッド・デー 2025は、木を地球の天然資源を守りながら人々の生活を豊かにすることができる持続可能な生活の礎として位置付けています。
ワールド・ウッド・デー2025は3月から10月まで半年に渡って、日本各地でいろんなイベント・プログラムを開催します。ぜひお越しいただき、ワールド・ウッド・デー in JAPAN を一緒に盛り上げましょう。
ワールド・ウッド・デー2024
今年のイベントテーマは 「Diversity of Wood in Culture (文化における木材の多様性)」です。
特定の木材が何千年にもわたって、様々な社会でどのように、そしてなぜ加工され、使用されてきたのかとは、対象となる木材製品に関連して木材の品質を定義するという課題を実現しながら、各社会の文化遺産と密接に関係しています。木材は樹木から形成されるのであり、木材を理解することは木材がどのように樹木から生み出すかを理解することと同じです。したがって、木材の文化的評価には、社会に必要な木材の持続可能な供給を確保するために、持続可能な森林管理と森林の再生活動が継続されることを期待して、樹木と森林の種類に対する文化的評価を多く組み込む必要があります。
同様に、木材以外の多様な林産物も、世界中の様々な文化の中で入手可能です。世界中の特定の社会で特有の森林からの非木材材料の使用に関して、伝統的な知識にも大きな関心が寄せられています。たとえば、籠細工やその他の織り製品、木の樹皮製品、伝統的な薬用植物製品、食用菌類、ラテックス、および樹木、野生動物、果物より天然由来の抽出物などです。 また、木材リグニン、セルロース、ヘミセルロースからの有機ベースの製品が将来的に入手可能になることは確実であると思われ、最終的にはそのような新世代の森林ベースの製品に対する社会への新しい木材文化体験に変換されます。
人類は、生活の本質的な一部として森林からの木材やその他の製品の多様性を探索し、評価し、大切にし続けていますが、やがて、これらの製品のそのような継続的な使用と評価は、自然に文化的アイデンティティの一部となるでしょう。
ワールド・ウッド・デー2024 は再びオンラインで開催し、世界のさまざまな地域にて小規模なイベントを開催しています。
ワールド・ウッド・デー2023
今年のイベントテーマは 「Wood in Cultural Heritage (文化遺産における木材)」です。2022年のテーマ「 Trees for Good: Challenges, Opportunities, Sustainability(善のための樹木:課題、機会、持続可能性)」の続きであり、人類の歴史、生活様式、及び環境における木材の役割を強調しています。
木材はさまざまな構造と非構造の目的で広く使用されており、それぞれの明確な用途は、歴史的および近代と現代のシナリオから、世界中の地域、社会及び民族性を特徴づけています。木材は主に建物やその他の建造物に使用されてきた他、装飾品、工芸品、儀式、精神的な理由で使用されてきました。これらの理由から、数千年にわたって発展してきた、人類とさまざまな形態、製品及び材料とする木材との間に固有の感情的な繋がりが、現在は 「木造文化財」として認定されています。
歴史的な木造文化遺産は、過去の人類の歴史、科学、芸術、文化を反映し、その使用時代の技術的および社会学的進歩に関する洞察を提供しています。歴史的な (そして古代の) 木材以外、現代および将来の木製製品には、自然に人間の愛着が組み込まれており、これらの木製製品に対する文化遺産の良識が含まれていることも正しく理解されるべきです。
進行中の COVID-19 パンデミックの継続により、ワールド・ウッド・デー2023 は再びオンラインで開催し、世界のさまざまな地域にて小規模なイベントを開催しています。
ワールド・ウッド・デー2022
今年のイベントテーマは 「Trees for Good (善のための樹木)」です。2021年のテーマ「 CO2 & Wood (二酸化炭素と木材)」の続きであり、「Wood is Good(木はいいな)」のスピンオフです。サブテーマ「Challenges, Opportunities, Sustainability(課題、機会、持続可能性)」は、生命、社会、遺産、産業、環境に関連しています。
森林(特に樹木)は、この光合成中に酸素を放出しながら大気中の二酸化炭素を変換して樹木を生成する超効率的な天然炭素吸収源であり、地球規模の気候変動に取り組み地球温暖化を阻止するために、森林樹木に依存しています。したがって、持続可能な森林資源を提供するために、森林樹木を適切に管理することは、今日 各国で課題となっており、世界の森林資源の中で熱帯林を持続可能にすることが優先される課題となります。樹木や森林の重要性に関するいくつかの問題は、地球規模の気候変動が(森林被覆の増加によって)緩和され、林産物(金属、コンクリート、プラスチック製品の代わりに)もより多く利用され、環境に優しい社会という世界的なニーズを満たすために、利用される機会でもあります。
進行中のCOVID-19パンデミックの継続により、ワールド・ウッド・デー2022は世界のさまざまな地域での多くの地域イベントだけでなく、オンラインで多数のプログラムを再び開催します。
ワールド・ウッド・デー2021
今年のイベントテーマは「CO2 & Wood (二酸化炭素と木材)」です。サブテーマは Carbon Storage(炭素貯蔵)であり、それは樹木が CO2 二酸化炭素を吸収し、木材の中に炭素を貯蔵するためです。持続可能な林業、生物多様性の保全と責任のある木材使用は炭素貯蔵の効果を促進し、木材の使用は二酸化炭素排出量の削減に役立ちます。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を鑑み、参加者及び関係者の健康・安全面を考慮した結果、ワールド・ウッド・デー 2021はバーチャルイベントで開催し、各地域の制限措置に準じて幾つかの地域活動を行う予定です。各プログラムのバーチャル化も、ワールド・ウッド・デーに参加する人々に新たな経験となります。
ワールド・ウッド・デー2021 植樹活動
2021年3月19日(金)に東京大学大学院 農学生命科学研究科附属演習林 田無演習林(以下「演習林」)にて、ワールド・ウッド・デー2021植樹活動が実施されました。COVID-19を配慮し、日本木文化学会の理事及び演習林のスタッフの皆様を中心とした15名の参加者のもと最小限の人数で開催致しました。初めに日本木文化学会 代表理事の松尾祐孝氏よりご挨拶をいただき、松尾氏(拍子木)・大河内淳矢氏(尺八)の二者による木の文化を象徴する和楽器のパフォーマンスを実施しました。その後祝辞として、山本博一先生(東京大学名誉教授)と石橋整司先生(演習林長)よりお言葉を賜りました。その後、栗田直明氏(演習林 技術専門員)より樹苗の紹介および植え方のご説明をいただき、6種類の苗木(オオムラサキツツジ、イロハモミジ、ヒトツバタゴ、クリ、クヌギ、コナラ)の植栽を実施しました。演習林の皆様の全面的なご協力のもと、晴れ上がった空の下で有意義な植樹活動を行うことができました。